戸建住宅向けの地盤調査の方法には代表的な2種類の方法があり、当社は「表面波探査法」を採用しています。
表面波探査法は、その精度の高さから、他の調査法より、「地盤改良工事不要」という判定が多くなるのが特徴です。

表面波探査法

人工的にごく微小な地震波(レイリー波)を発生させ、その伝わり方を分析して地盤の硬さ・軟らかさを調査する方法で、 国土交通省告示第1113号の「物理探査」に該当する調査手法です。

振動装置からの振動の伝わり方を計測

調査は予定建物配置の四隅と中央の計5か所で行います(建物形状や大きさによって増える場合があります)。
現場調査に要する時間はおよそ3~4時間です。

他調査との比較

表面波探査法は、1m(場合によって1.5m)の範囲の平均的な地盤の硬さを計測する、「面」の調査です。

1mの範囲で測定

表面波探査法のイラスト

一方で、住宅地盤調査によく用いられるスクリューウエイト貫入試験(旧名称:スウェーデン式サウンディング試験)は、先端がスクリューになっている径33mmのロッドを回転させながら地中に貫入させて、25cm毎に要した回転数によって地盤の硬さを判断する調査です。調査する範囲が狭いので「点」の調査といえます。

SS調査のイラスト

表面波探査法のメリット

1. 「地盤改良工事不要」となる可能性が高い
住宅の基礎は、地盤に対して面的な荷重がかかります。そのため、面的な荷重に対してどれだけ耐えられる地盤なのかを調査することが重要です。
面でかかる荷重のイラスト
面的な調査である表面波探査法の方が、点の調査であるスクリューウエイト貫入試験よりも、基礎設計に関してはより精度の高い調査を行うことができます。

また、1か所あたりの調査範囲が狭いスクリューウエイト貫入試験は、スクリューが礫に当たって止まったり、逆に土質によっては地盤に過大な力を与えてしまったりしてデータのばらつきが大きくなりやすく、結果として「地盤改良が必要」という判定が出やすくなります。一方、1か所あたりの調査範囲が広い表面波探査法の方がより安定したデータを得やすく、結果として「良好な地盤である」という判定が出やすくなります。
2. 細やかな対策方法の提案
表面波探査の調査結果は「地層境界毎(0.01m単位)」に地盤の硬さを表示し、0.1m単位で対策提案を行います。一方、スクリューウエイト貫入試験は「0.25m毎」に地盤の硬さを表示し、0.25m単位で対策提案を行います。
そのため、表面波探査法は、対策すべき(軟弱な)地盤の層をより詳細に把握でき、必要最低限かつ安全な対策方法を提案することができます。

当社の考え方~表面波探査を採用する理由

当社は調査専門の会社であり、特定の地盤改良工法を実施したり推奨したりはしていません。あくまで第三者的・中立的な立場から調査、判定を行っています。

また、当社は以下の考え方に基づいて調査・判定を行っています。

・精度よく調査して地盤改良工事をできるだけ回避する
・軟弱な層や部分があったとしても、必要最低限の深さや範囲で対策を行う
・杭ではなく面的な対策を優先する(面的にかかる荷重は面的に支えるのが沈下リスクを低減するから)


この考えに最も適した地盤調査方法であるため、当社は表面波探査法を採用しています。